しかし、ヒョンな事から音場型スピーカ(8㎝×4個で16㎝相当の低域再生力)を作り、やはりというか中域に物足りなさを覚えるようになる。
フルレンジ一発の場合、口径10~13㎝が向いているという話をよく目にする。
聴く環境によって色々あるのだろうが、自分の場合にも当てはまるのだろう。
素人設計の拙さがあるにしても、情報の宝庫である中音域を豊かに鳴らすにはユニットのサイズを大きくするのが手っ取り早い。
BH向きの10㎝用スピーカーは高価だし、ド素人を自覚しているので冒険は慎みたい。
他に何かいい方法はないかと検索を続けていると、候補に挙がったのがJSP方式。
詳細は開発・販売会社のHPを見ていただくとして、スピーカ径に応じたエンクロージャーの容積やポートの計算式までも公開している事に好感を持った。
重低音というと、何やら無駄に鈍重なイメージを持ってしまいがちだが、自然でクリアな低域が出るらしい。


内部の仕切りを撤去したところ(下)。
吸音材の調整用にと側板をネジ留めにしたのだが、こんな展開になるとは・・・。
ホーン開口部を封鎖した場合、内容積は11.9ℓだった。
JSPの場合、8㎝ユニットは10~13ℓ必要なので丁度範囲内。
ちなみに必要な内容積は、ダクトや吸音材を含めてもいい事になっている。
ホームセンターで購入した内径25㎜の塩ビ管は2mが1本732円。
吸音材は熱帯魚水槽の濾過フィルターを使う。
共振周波数(Fd)は11.9ℓの場合、2.5㎝のダクト長さ12㎝×4本で56.4Hz。

内径25㎜の塩ビ管の外径は32㎜で、ホールソーセットに32㎜径があるので都合がいい。

取付したところ。

下側はこんな感じ。
さて、早速鳴らしてみたところ、低域が見事に出ない。
一晩鳴らし続けて翌朝聴いても同じだった。
ポート長を短くし過ぎたのかもしれない。
文系的表現を用いれば〔呼び水〕にすらなっていないようだ。
しかも板の厚さを考慮していないので実質11センチ程度というありさま。

買い足すのが面倒なので4㎝分切って延長してみる。
何という事でしょう、ダクトを伸ばしただけで低音が蘇りました・・・
と、サザエさんもびっくりの変わりようだ。
15㎝のFd値は51Hzと、僅かな差でしかないがこの変化は非常に大きい。
出過ぎ感のあったBHの時よりも軽くなり、バランスは確かに良くなった。
でもJSPを自作された方々のような〔音程感のある低音〕という風でもないので通常バスレフの範囲内と思われる。
困った事に、低域から中域にかけての響きが薄まってしまった。
思い付きの変造はロクな事がない。
という事で、満足のいく結果は得られなかったものの、何となく次の目標が見えてきたのが収穫。
※2月1日後記。
低域は出るものの、中域が痩せたままでショボい音に変化はない。
エージングの段階はとうに過ぎており、ダクトの径や長さ以外にも原因がありそうだ。
必要容積が通常バスレフの2倍以上なので、ユニットの駆動力や箱の形状など、方程式を成立させるのは思ったほど簡単ではないのかも知れない。