
丸南の並びにある立ち呑み屋から函館駅を望む。
いかにも港町らしい情景だ。
インバウンドが減少したのかどうか、滋養軒が入り易くなった。
しかしこの日は臨時休業。
津軽屋食堂は2日目に行っているので長月に行く。

程好く冷えた地酒が何種類かあり、今回は真澄。

お任せ三品。説明を受けたのにメモしていないので忘れてしまった。

噴火湾ホタテのコキール
6月に来た時に注文したもので、これは外せない。

知内産カキの燻製漬け
これも美味い。酒が進む。
翌日帰るので酒は程々にしなければいけない。このジレンマ。

野菜のテリーヌ。
目にも鮮やかな10種類。
ビタミン類が不足がちの出張族には堪らない。しかも和風出汁。
酒は2杯で切り上げて〆のせいろを注文した。
「江戸好み つゆ お試し頂けます」という貼り紙があったのでそれにしてもらった。
蕎麦つゆといえば、見栄っ張りの江戸っ子が死ぬ間際に「ああ、せめて、一ぺん、蕎麦をどっぷりつけて食いたかった・・・」と本音を吐く有名な笑い話がある。
東京の老舗蕎麦屋で手繰ったのは神田と浅草の「藪」、それと「まつや」のみ。
「藪」は双方とも確かにしょっぱいつゆで、その濃いつゆへ蕎麦の先だけつけて手繰れば、蕎麦の香りが生きてつゆと調和し、美味いなぁという事になるらしいのだか、田舎っぺえの自分が理解するにはいかんせん量が少な過ぎた。
気軽に酒も飲めて庶民的な雰囲気を楽しむならまつやだ。
最初に猪口が出される。分量はせいぜい大匙1杯ぐらいか。
「味見すると味覚がダメになってしまうのでご注意ください」。
鼻先に持って行って嗅ぐと生醤油に負けない位の鰹出汁が香る。

手繰った蕎麦の先が2本として、せいぜい7~8㎝が丁度いい按配。
ここの店は、「蕎麦の香りが生きてつゆと調和する」まで確かめられる量を充分に確保してくれる。
若い女店主はその辺の状況を踏まえている。
「真似っこですから・・・」などと謙遜していたが、その笑顔が手強い。
※ 2021年12月31日、惜しまれつつ閉店

時間が早いので丸南に寄る。

腹一杯なので焼きのりだけで終えた。