事務所が省エネで蒸し暑いので、外に出たほうが過ごしやすい。

今年初めての一徹。
引き戸を開けてすぐの角席のみが空いていた。
右隣のオッサンがモバイルPCを打ち込んでいたのはいいが、注文の品が運ばれてもやめようとしない。不思議な客だ。
中華鍋の脂がチリチリ音を発してから小さじのニンニクを「ジャッ!」
続いてネギ、モヤシを入れて煽ると大火焔が立ち上る。

正油らーめん 630円
硬麺で注文したところ、店主としてはタイミングが遅いと感じたらしく、 「大丈夫でしたか」と訊かれた。
右手でOKマークを示し、「全く問題ないよ」と答えて啜る。


左隣の客が帰る際に「今度来た時にざるラーメンでも作るかい?」
どうやら肉が苦手だったようだ。
店を出た後にニコニコして「手間の掛かる客大好き」と独り言。
その風貌からして、とにかく無口な人だと思い込んでいた。
