昨年のSmileコンプリート盤リリース、結成50周年を迎えた本年は新アルバムのリリースに続き、8月にはオリジナルメンバーが全員揃って来日を果たした。
特に来日公演はファンにとっては願ってもない事で、演奏に立ち会えた人達が本当に羨ましい。
実は私も行く気満々で、飛行機代を貸す と言ってくれた山妻に感謝せねばなるまいが、既に出張の予定が入っていたので最初で最後のチャンスを逸してしまった。
この時は正直、自分の仕事を呪った。
来年3月下旬にBillboardにて Mike&Bruce組による〔The Beach Boys〕のライブが行われるという情報が入ってきたのだが、個人的にはBrian抜きのBB5は見たいとも思わないし・・・。

EMIの公式サイトより拝借。
さて本題。
YoutubeでBeach Boys関連の動画を漁っていると、本人達の映像に混じって
〔Fendertones〕というのが時々ヒットする。
デビューしたての頃、レコード会社がグループ名を勝手に〔Beach Boys〕とクレジットしてしまう前はThe Pendletones(ペンデルトーンズ)と名乗っていたそうだから
“フェンデルトーンズ”とでも発音するのだろうか?
Let Him Run Wild
1965年の〔Summer Days (And Summer Nights)〕の収録曲で、当時としては珍しいビッグバンドの手法を取り入れた、いわば裏の名曲。
Brian自身も1998年のソロ〔Imagination〕でセルフカヴァーしている。
これが最初に見たFendertonesの動画で、観客よりもステージ上のメンバーが多くて、学祭のライヴか?、といった印象。
普通ならシンセで代用するところを当時のレコーディングで実際に使用した(と思われる)楽器類を全て投入し、オリジナルに近いサウンドをステージ上で再現しているのが彼らの凄いところだ。
幾多の楽器類を投入しながらもスッキリと聴かせてしまうBrian-Magicを体験出来るのも有難い。
Do You Wanna Dance(踊ろよベイビー)
同じく1965年の〔Today〕の収録曲で、オリジナルは1958年、Bobby Freemanのヒットナンバー。
通奏低音のSAXが映る瞬間は何度見てもゾクッと来る。
長く私設ファンクラブ〔BBFUN〕を運営されている鰐部知範氏がFacebook上で直接彼らに問合せしたところ、SAX奏者以外は全てアマチュアらしい。
全て紹介するわけには行かないが、サウンドが複雑・深化した1965~67頃の曲を中心に取り上げているのが興味深い。
が、中にはこういうものもある↓。
The Monkey's Uncle (1965)
スター女優と比べてビジュアル的にどうかといった話は抜きにして・・・。
やはりここは、オリジナル映像を紹介しない訳には行かないだろう。
アネット主演映画の冒頭シーン。The Beach Boysがバックで演奏している。
1965年といえば、もう既にこの手の曲は〔卒業〕していた時期。
そうした先入観も手伝い、どことなく軽く流している感がある。
口パクとはいえ、これほど鮮明な当時の映像は大変貴重だ。
〔Smile〕のブートや〔Stack O Tracks〕をベースに多重録音機でヴォーカルの重ね録りに挑戦したり、似合うかどうかも考えずに高価なPendletonのシャツを買ってみたり、〔Surf's up〕の完コピを目指してヴォイス・トレーニングに励んだり・・・そうでなくともファンであれば一つや二つ、思い当たる節があるだろう。
私の場合は上記の他に、Brian-Bandのツアーに同行して1曲だけでもいいからファルセット役として参加したい、という願望がある、というかあった。
The Fendertonesはファンのそうした思いを体現してくれる貴重な存在だ。