西丸震哉 原始感覚の世界

2年前(2012年)5月の事。

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25歳の時に〔山小屋を造ろうヨ〕という本に出会い、7年間かけてセルフビルドしたログハウスがもはや修復不可能な状態となり、地主から言われて解体を決断した直後、西丸震哉氏がこの世を去ったのを知った。

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定期的に書店に出向いては西丸氏の著作データをプリントしてもらい、新刊・再刊があれば注文する、という状況が10数年間続いただろうか。
古書店で見つからない書籍は図書館から借りて読み耽ったものだった。

こじつけになってしまうけれども〔初めと終わり〕が一致したという事に、妙に納得したものだった。

さて、時々拝見している 西丸震哉記念館のHPに記念集の案内が出ていたので早速購入した。

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未発表の連載物、作曲集、写真、絵画、受賞対象論文、著作リストといった構成で、初めて目にする内容多数。

〔栄養と料理〕に1971年の1年間連載された〔ぼくの人類食物史〕も初出。
巻末に館長の杉原保幸氏が書かれていたとおり、台湾・インド・ニューギニアの現地探査で得た数々の事柄が後に〔食生態学者〕として幅広い展開を見せるのだが、その確信に満ちた筆致たるや、いきなり〔海はドブである〕からスタートする〔食生態学入門-1980年〕と同様の刺激を受けた。

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ザックを背負って文明と未接触のニューギニア食人族に会いに行くという、一見無謀とも思える探査行はあくまでも自身の発想・仮説を裏付けるという手段に過ぎず、そのスケールのデカさも西丸氏の真骨頂。

第2章〔著作の中の名文集〕は側近の2名が選んだもので、ファンにすればお馴染みのものばかりだが、串田孫一の解説文も含まれていたのが興味深かった。

第3章は、1994年に刊行された〔西丸震哉作曲集〕の中から楽譜の大半(全て自筆)がそのまま収められている。

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この〔作曲集〕は2,800円安くはなかったので、それほど売れなかったのではないか。
今回、プラス500円で〔作曲集〕附属のCDが付く(但し限定50部)そうなので、併せて注文される事をお勧めしたい。

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HPより)
第4章以降は世界各地への探検記録写真や自身の絵画が多数。
殆どが今まで目にする事がなかっただけに見応え充分。

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名著〔ニチャベッタ姫物語〕の表紙に使われた水彩画。

うろ覚えだが、何かの本に〔自分が死んだら何らかのメッセージをテレパシーで送信するのを今から約束しておく〕というのがあった。
遠く離れたインドから念力を送信して自宅のピアノを鳴らす寸前までやるような方なので、時々思い出しては待っていたのに一向にそれらしい感覚がなかった。
今回の刊行物によって亡くなった事をやっと実感したという手合いだから、〔ソレ〕をキャッチ出来るのはもっと先の事なのかも知れない。


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2014年08月13日 | Comments(0) | Trackback(0) |
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