札幌の街中を見物するなら昭和40年代前半までがいい。
先代が若かった頃の〔三平〕で鉄火を注文し、〔富公〕のオヤジに怒鳴られ、テレビ塔で景色を眺め、マンモスキャバレー〔エンペラー〕で一杯・・・と、エンペラーの開業は1972年だから時期が合わないのだが、こうした妄想は考え出すとキリがない。
もし海外へ行くなら、アメリカならビーチ・ボーイズ、イギリスならビートルズの公演、中国やギリシアなら楊貴妃とクレオパトラを見たい。
ヨーロッパ圏であれば、私は間違いなくシューリヒトの生演奏を聴きに行くだろう。
ワルターと違って良質な録音に恵まれなかった指揮者だが、長生きしてくれたおかげで多くの名演を残してくれた。
先日、コンサート・ホール・ソサエティ・ボックス(10枚組)を購入した。

HMVで2,870円。これがAmazonだと何故か5,000円(12月16日現在)。
昔は1枚しか買えなかった値段で10枚。いい時代になったものだと思う。

元々はLP時代に通販として流通していた膨大なシリーズ物で、シューリヒトに関しては、やたら音圧の低い〔ブラ4〕を持っていた記憶がある。
名演の誉れ高いハーグフィルとの〔ブル7〕を始め、シューマンの〔ライン〕、あっと驚くヴァーグナー序曲・前奏曲集、アンドレやホリガーが参加しているバッハのブランデンブルグなど、とにかく聴きどころ満載だ。
惜しむらくは音質が良くない事に尽きるが、贅沢を言っても始まらない。
ところで、当BOXのシューリヒト音源はこれが全てではない。
分かった範囲でもモーツァルトの36番〔プラハ〕、ブラームスの〔3番〕が何故か外されている。
同じ曲は他所でも録音しているから吟味して探せばいいだろう、それにEMIのBOXがあれば大体揃う・・・と思っていた矢先、タワーレコードがオリジナル企画で最新リマスタリング盤の分売を開始していたのを知った。
しかも1枚の値段が宅飲み1回分という心憎さ。
こうなるとB型マニアック気質の血が騒いで仕方がない。
クリュイタンス、ムラヴィンスキー、クライバー、ハイティンク等々、じっくり聴いてみたい指揮者は多い。
困ったものだ。
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